思いつき・・・・・フッと思いついた事を書きます       TOP


 当店の「時代遅れな?実力者達」
は、店の目立たない所に、ヒッソリと佇んでいます。
会社で言う、「窓際族」?
先日、クロスバイクに乗られた大学生風の方が、「スポークありますか?」と御来店。
一応、御説明(?)をして、3本程作製、お買い上げ頂きました。
「良かった〜、量販店Aさんでは、“72本セットじゃないと売れないんです”」と言われたそうです。
そもそも、アフターマーケットでは、黒のスポーク自体、入手が難しいのと、在っても長さが特定され
また、素性の知れた真面な商品の黒は何故か、随分と高価なんです。
恐らく、そこのお店で、注文されても、結果は見えてますがネ。
彼にとっては、殆ど共通の長さの「ダダの黒い針金」と、捉えておられることと思います。
冷静に考えれば、一般の方からすれば、至極当然のこと。(自称マニアの方でも御存知無い方も)
スポークにも、ブランドや、1mm単位の長さ、太さや形状等色んなバリエーションがあるなんて、知
る由もありませんから。
まあ、私の思い込み過ぎの「独りよがり」ですネ、キッと。
アタシ的には、私が「すきやばし次郎」(入れてくれない・・笑)と、回転寿司の差が判らない(多分・値
段以外)位、ギャップを感じた・・・違わないか〜(笑)。
例によって、与太話です。
与太話続編も追加
 
 


 MTB回想の切っ掛け
 は、下の写真のステム、「あ〜、懐かしい」と思われた方は、当時、お好きだった方?
先日「ポタリング日記」で、このパーツについて、ネタ・レベルで書いてみましたが、書いているウチに
MTBとのお付き合いも、四半世紀(Quarter of a century)以上であることに気が付いた。
イヤハヤ、歳を取ったと言うか、月日の流れるのが本当に早く感じる今日この頃。(当店の年上のトライ
アスリートの活気ある60オーバーのオジサマ方に聞かれたら「何、言うてんの?」と一喝されそうですが)
私がサラリーマンを辞め、家業に就いて暫くしてから、MTBが日本に持ち込まれ(実は、最初の量産MT
Bは日本製だったらしい・・・今や全米NO.2のメーカーになったSPECIALIZED<残念ながら、台湾メー
カーMERIDAの傘下>の現会長のマイク・シンヤードが、ゲーリー・フィッシャーからもらった、トム・リッチ
―作のフレームを当時世界の「普及版、自転車工場国」だった、日本に持ち込みコピーしたそうです、そ
のことで、それまで、一部のエンスーな方々だけのモノだったMTBが、全米で話題になり、爆発的に広が
る切っ掛けになったそうです)、元々、エンジン付のダートを走る競技を13年やって、辞めて間もなかった
こともあり、MTBは初見から、興味深々だったことを想い出します。
自転車産業の世界的な拡大に、多大なる影響を及ぼしたMTB、道程、色んな方々と、そのアイデア、企
業が参入、離脱を繰り返し、現在に至っている訳ですネ。
下の写真は、MTBバブル期に現われ、泡と消えていった一アイテムです。
更なる与太話も宜しければ
 


 買わなきゃ・よかった
なんて、ことにならない為に。
何時もスポーツ・サイクルをお買い上げ頂いた方への自転車の御引渡し時、私的に作った、当方の「ザッ
とした取説」をお渡ししてから、ポジションの変え方、お付けする工具の使い道、操作方法等の御説明に入
らせて頂いております。
その「ザッとした取説」に、以下の文章を付け加えてみました。
昨今、健康やエコの追い風をベースに、スポーツサイクルを楽しまれるサイクリストは爆発的(少しオーバー
)に多くなりました、そのことに付いては、当方の業界にとっては、とても、有り難いことなのですが、絶対数
が増えると、当然、それに纏わる色々な問題も増えて参ります。
折角、楽しむ目的で御購入頂いても、取り返しのつかない事態の要因に繋がっては、もともこも無くなって仕
舞います。
「お楽しみ」に、水を差す様な文章になってしまいますが、この辺りを肝に銘じて頂いた上で、楽しんで頂け
れば、問題の発生を少なく出来る切っ掛けになるんじゃないかな、なんて思いまして。

もう、10年程まえ、今の様なブームの前のことですが、状況をお聞きする限り防ぎ様の無い「偶然の悪戯」
的事故が発生、結局、不幸にも、対歩行者の死亡事故になって仕舞、その方は、MTBのレース(本格的)
を辞めることになりました、不幸中の幸いと言っては、相手の方には申し訳ないのですが、たまたま、「個人
賠償責任保険」に加入されていた為、金銭的には、事なきを得たという結末でした。
賠償額は4000万円、自宅へ昼食に行かれる途中の事故にて、特に飛ばしておられたわけではないという
シュチュエーションで起こった事故なのです

(お客様へのお願い)

自転車は、色々な意味で、危険な乗り物であることを認識し、お使い頂くことを
お勧め致します。

昨今のブームで、スポーツサイクル愛好家の絶対数も増え、ごく一般的な方にも
、スポーツサイク
ルをお買い上げ頂くことも多くなりました。
軽装備(ヘルメットにしても、かなり貧弱)で、気楽に乗れることも魅力の一つ
でも御座います。

スポーツ用自転車に乗ると、ついついスピードを出したくなるのも当然のこと。
特に、タイヤの細いロードバイク(ロードレーサー)は微細な石片を踏んだだけ
でも転倒に結び
付きす、また、この手の自転車は俊敏な動き(進路変更)が出来
る様にホィール・ベース(車軸
間距離)も短く設定されておりますので尚更です。
道交法や事故の責任処理についても、以前は、歩行者的扱いで取り扱われること
が多かったのです
が、最近は本来の立場である、「車両」として取り扱われる傾
向です。

特に、対歩行者の事故に於いては、自動車と同等の賠償額の支払いを命ずる、1
億円近い賠償額
の「最高裁判例」も御座います。
自転車保険や、個人賠償責任保険等に加入されることをお勧めします。


 私のライディングでも
ディスクの板が減るんですネ。
何時もパッドしかチェックしていなかったのですが、ハブのオーバーホール時、取り外しついでに
洗剤で板を洗おうと触ると、オヤ〜!段差がクッキリ。
凝った計測器が無いので、ノギスで測定、SHIMANO提示の限界値ギリチョンの1.5mm。
今月、ロングのイベントの“短い方”にエントリーをしているので、不安になり、即座にWEBで発注。
STDであれば、強度が落ちるだけなんですが、SHIMANOの誇る“ICE−TEC”(薄いステンレス板
で、アルミ製の芯材をサンドした構造)にて、限界を超えると、摺動面が剥離する可能性も考えられる。
マッドなコンディションでのライドは避けてきたんですがネ。
板の振れは凄く気にして来たのですが、イヤ〜気が付いて良かった、良かった。
(実物は、写真のイメージより、かなり減って見えるんですヨ)
乗りっぱなしの皆さん、一度お確かめアレ
 


 カーボンフォークの落とし穴?
「バッグが入って、前転しちゃいました〜、スポークが伸びたみたいで、リムが振れてます」。(お客様)
「リムが逝ってないか、調整してみますネ」。(私)
「振れは取れました、リムは大丈夫みたいですネ」。(私)
「あと、フロントフォークに傷かあるんですヨ」。(お客様)
「どれどれ、アッチャ〜、フォーク逝ってますヨ〜」。(私)
が、お客様と交わした会話です。
対応・・・USAに在った代替フォークに交換予定です。
もし、ホィールのダメージがもっと少なければ、そのまま乗られていたわけです。
この実車、メーターのセンサーマウントのインンシュロックが太く、もう少し下に在ったら、傷(クラック)
さえ見逃されていた訳です。

結論:こと、カーボン製フロントフォークに関しては、転倒時は勿論、定期的なチェックは必須項目ですネ
   フロント周りのトラブルは、致命的な事故に繋がりますから
 


 スチール(通称:クロモリ)フレームの利点?
10年以上前に作って頂いたロードレーサーですが、不幸にして事故に逢われ、フレームが変形して
仕舞いました。
私は、この「変形」は、ある意味、安全上の利点と考えます。
目視で異常が判かれば、トラブルの認識が容易な訳です(今回の場合、どう見ても乗れませんが)。
この事象が、非金属(カーボン)製のフレームですと、破断もしくは、亀裂となる訳です。
当方に御来店頂く外国人の方からお聞きした話ですが、友人の方が、競技中(海外で)の集団落車の
折、「破断したカーボン繊維が大腿部を貫通した」んだそうです。(これは私の想定外の出来事)
当方の考える懸念事象としては、破断に達しない「クラック止まり」、これを見逃す事による、乗車時に
発生する破損事故です。
今、日本史上、空前のロードバイクブーム(ある意味困ったことも)、しいては、時代は「カーボン製品
の氾濫」ですから、強いショックが加わったカーボン製品の、チェックは入念に行う必要が御座いますネ
 
 


日頃の点検は重要かも
この辺りを破壊出来るのはある程度の走りの出来る方ダケかも知れませんが。
当店のお客様、国内エリートのT選手が数年前のフォークに続き、久し振りの“危険個所”の破損による部品交換に
御来店。
破断個所をよく見ると、途中まで黒っぽく変色が見られます、恐らくクラックに気付かずに乗られていたと推測するこ
とが出来ます。
最上級モデルMONTY221用で、このクランクは3シーズン目ですから、「さすがMONTY」といったところですが、怪
我でもしていたら洒落になりません、リカバーの効く、国内トップクラスの選手故の“無傷”といった方が。
ノンドライブ側はチェックし易いのですが、ドライブ側はフリー、チェーンの死角、またチェーンの潤滑油による汚れから
中々クラックレベルでは発見し辛い個所でもあります。
あと、トライアルでは極端にインパクトの掛る“利き足”がT選手は右側なことも原因です。
今夏、イタリア遠征に挑戦するT選手ですから、お怪我が無くてなによりでした


実走テストのフィードバックとコストカット?
写真は、2011年モデルのカーボンロードレーサーのTREK4.7の写真です。
で、黄色い矢印3箇所は対チェーン用のプロテクターです。
ことカーボンに関してはチェーンとの強い接触は致命的なフレームへのダメージを招きます。
ある程度乗られる方であれば、下記矢印部へのチェーンの接触は容易に想像がつくことと思います。
アルミフレームならば、少し削れる、スチールであれば塗装が剥げる位で済むのですが。
チェーンの脱落、チェーンサック等が頻繁に起きるMTBならば尚更です。
最近、TREK社の商品をメインに販売する為、これ位のプロテクションは当然と思っているのですが、修理等で持ち込まれる
他社のバイクにはこの辺の配慮を無視した物が目立ちます。
実走テストまでやっていないのか、はたまた、購入者の目に留まらない部分に付きコストカットなのか。
以前、世界最大メーカーG社のカーボンロードをお買い上げ頂いた時、この辺りの配慮が皆無なのに疑問を感じ、オーナー
の方に、その旨を申し上げたところ、非常に心配され「T社の物を部品で・・・」となったことが御座いました。
写真のTREK4.7はおそらく、G社でのOEM生産のはずですから、G社の商品に着いてない場合は、ワタシ的に「確信犯」
扱いですネ・・・(適当に製品ラインにUPしている、弱小のマスプロメーカーなら許してあげるところですが)


目の届かない処
フレーム素材として、上級がカーボン、中〜下がアルミ素材と言うのが今の一般的な構図。
カーボンはメーカー格差が在り過ぎて、山の物とも、海の物とも判らない怖いマテリアル、また、特にアルミの台等後
コアユーザーに見直されているのがスチール(通称クロモリ)です、が、錆に弱いのが泣き所、と言う事で・・・
鉄素材の欠点、重い事と錆び易い事。
重いところは、乗り味の優しいところで
帳消し。
しかし、錆易いところは頂けません。
特に、トライアスロンだと、海から上がっ
て、即バイクに跨る訳ですから、自ずと
錆には厳しいユーザーとなります。
本日お預かりしたバイク、作業台に乗せ
ないと中々目が届かない処に、広範囲
に錆による変色が、ブレーキアーチに隠
れているので全くの盲点となります。
塗装を剥がしてみて思ったより侵食の度
合いは少なく一安心、タッチUPして完了
(研磨処理前の写真を撮り忘れていました)
RAIZINユーザー“志摩の女王”ことYさんが
開店前に"ニコヤカ”に御来店、昨日行われた
「天草国際トライアスロン」から飛行機で帰られ
たばかりとの事。
「年齢別で優勝したんヨ〜」と、トロフィー代わり
の花束を、バイクと一緒に置いていって下さい
ました。
取り合えず「おめでとう御座います」


特殊工具
モーターサイクルの世界なんかでは“特工”とか“SST”等と呼んでいる物にあたるんでしょうか。
自転車も、一昔前とは違い、規格、構造の多様化、それに、本来、この業界には無かったディスクブレーキやサス
ペンション、また、それらにまつわる専用工具、精度を出すのに必要だったり、それが無いと手も足も出ない物だっ
たりと、「上手くいかなかったらどうしよう」と、弱気な私が、ついつい導入して行くうちに、増える事、増える事、ワタシ
が逝った日にゃ、この工具達は只の金属ゴミになること必至。
使用頻度の多い物ならまだ諦めがつくのですが、コレクション?には、結局使わず仕舞いになっている物も多数。
最近、段々と勢力を伸ばしつつあるディスクブレーキのポストマウント化、“ソロソロ出るのでは”と恐れていた矢先、
USAのPARK TOOLS社からポストマウント用“フェーシングツール”が発売、で、本日到着、また増えた。
刃物系は比較的高価な物が多いんですよネ〜。
未使用にて、使える代物かどうかは、未知数ですが(たまに、モノにならない物も)、どしどし使っていかなければ、また
「箪笥の肥し」が増えちゃいますから
ここ一年以内に、購入の“特工”達です。(実はもっと他にも買っちゃてます)
左から、本日到着のPARK TOOLSのポストマウント台座用フェースカッター。
お隣は、先月購入のTREKのMADONE BB90用ベアリングセット&リムーブツール(未使用)。
お次は、カンパニョーロ社ハイエンドホィール用ボールレースセットツール。
コイツは昨年末、機械の設計&製作に精通された、知人にお願いして作って頂いたワンオフ物(1
回のみ使用、今後、使用予定は無し)。
一番右、SHIMANO社製BB70用セットツール(リムーブツールも同時購入・・・共に未使用)。
「業界の方々、もうこれ以上、色んな規格やシステムを作らないで下さいナ」


“手組”ホィール
以前は当たり前の存在でしたので、そういう言葉も使いませんでした。
特に競技に使用するホィールに関してはライダーの嗜好に合わせ、リム、ハブ、スポークと個々に確立したパーツを、
それぞれの好みに合わせてアッセンブルした物がホィールだったわけです、しかし、今や特殊な存在の様に成りつ
つ有ります。
私の記憶が正しければ、十数年前、MAVIC社が“HELIUM”という完組ホィール(メーカーで組み立てた、ホィール
単体販売)を発表して依頼、徐々に勢力を拡大、当初の“HELIUM”はといえば、どう見ても現行のOPEN PROにカ
ラー、穴数、オリジナルスポーク(フックの無いストレートタイプ)、と、それに対応した、オリジナルハブの組み合わせで構
成されただけの物でした、しかし、その後、MTBのチューブレスに対応したタイヤ装着面に穴の無いリム、アルミ製の
太いスポーク、カーボン繊維のスポーク等、リム、ハブ、スポークの既存の制約を無くした自由な組み合わせで、ホィー
ル=製品というジャンルを確立していきました。
当時から、リムメーカーとしては、確固たるブランド力を誇示していた同社でしたが、コンポーネントも製造しているメーカ
ーでした(日本では、あまり知られていませんが)、しかし、特に日本においては、SHIMANO,CANPAGNOLO、SU
NTOURの影にかくれた存在だった訳です。
当時の、MAVIC社の経営者は余程先見の目が在った事でしょうネ、ホィールという“完成体”を展開する事で、リムだけ
でなく、売れなかったハブ、組み立て料、それに付加価値まで付けて利益に繋げる事が出来た訳ですから。
丁度その頃は、MTBのお陰で拡大した、スポーツバイク市場にそれを吸収するだけのキャパシティーも準備されていた
事も幸いした事と思います、その後は、ご存知の通り、他のコンポーネントメーカーも(例えば、ハブが売れない等)「指を
咥えて見ている訳には行きません」とばかりに、各社、あの手この手でMAVIC社に続いた訳です。
ショップに於いても、フレームから組むオーダー車の製作では、一番手間が掛かかり、しかも、ごまかし辛い行程だった
わけですから、「渡りに船」的存在になったのです。
そういう背景からか、リムメーカーからは、新しい物は出てこ来くなりましたが、イイ物だけは作り続けて下さっています。
そこで、時代に逆行した“趣のある世界もあるんですヨ”と言う事で“手組ホィール”のウンチクでも御覧下さいませ


クラック(ヒビ割れ)
オーナーの方が「掃除をしていたらクラックを発見したんで、終了ですは、で、いかがですか?」と、良い見本を頂きました
ので、クラックについてでも。
今、自転車に使用されているマテリアルでは、一番タフ(シブトイ)と思われる、クロモリ(鉄合金)でも、ある程度の繰り返し
の曲げ応力、振動等により何時かは壊れるモノなのです。
そういった意味では、たまの清掃(点検)は必要なんですネ。
最近ロードレーサーに多く使用され出したカーボンに於いては、この業界で一番の実績を誇るTREK社でさえ(だから?)
「外見では判らなくても破損している可能性がある」旨の注意書きを添付して、注意を促してます。(どうすりゃイイの?)
*非金属であるカーボン製品に於いては、「クラックのチェック」だけでは限界のバロメーターにはならないという事でしょ
うか?
先日ニュース番組でテレビ放映されたらしい(見てません)イタリアブランドB社の自転車に纏わる訴訟関連の話ではあり
ませんが、街乗り自転車といえども、ある程度の感受性を働かせて乗らなければ、結局のところ、損(痛い目)をするのは
乗り手な訳ですネ
ついでですので、このフレームについてのウンチクでも。
クラックはシート・チューブのシートラグのヒゲの先端、一番応力が掛かり
そうな所に発生。
このフレームはオーナーが設計したMTBフレームの5本の内、一番お
気に入りだった4本目に作られたフレームです。
Jシリーズのエリートカテゴリーで散々乗られたフレームですから、クラ
ックについては、オーナーも納得されています。
補強を縮小した事でやや、軟らかくなり過ぎた5本目を見捨て、トップチ
ューブの凹みの修理と再塗装をして頂いてから、間が無かったので、ご
本人も少々ガッカリされていましたが。
このフレーム、’08大滝キング・オブ・マウンテンでチャンピオンになられ
た折、第1レースにあたる、御岳のヒルクライムでMTBクラストップ(ロー
ドも合わせても5位だったそうな)を取られたのが、最後の勇姿だったんでは
製作をお願いしたRAIZIN WORKSさんに
バック曲げを初めて依頼されたのは、オーナ
ーのAさんです。
今やRAIZINさんが手がけておられる、ショッ
プオリジナルにも多く採用されています。
このフレーム、メインチューブはKAISEI8630
を使用、3本目が硬すぎた為、RAIZINさんの
提案でトップチューブはロードのダウンチューブ
に、ダウンチューブには、本来MTBのトッ
プチューブに使用するチューブを使用しています。
KAISEI8630は含有量の順番から、クロモリ
(クロムモリブデン鋼)ではなく、ニッケルクロー
ム鋼なんだそうです。
昔で云う、TANGEのプレステージに似た性質
だとか(よく反発する)
Aさんの「更に、少しでも軽く出来ませんか?」
というご要望に、RAIZINさんのアイデアで、5
本目はチェーンステーのガセットを更に小さくさ
れた事で、「腰が無くなった」様です。
本当にシビアな感覚の持ち主です。

*ロードの場合、泥詰りを気にしなくて良い為、
通常ブブリッジを使用します
5本目は、ヘッドのガセットも縮小、十数グラムの
軽量化も


バテッド・チュービング
メーカーのカタログスペックで、フレームマテリアルの所にアルミやクロモリ(スチール)・・・にバテッドと言う文字がよく
書かれています。これは通常内部の肉厚に変化を持たせ、強度の不要な部分を薄くして軽量化をしてあると言う意味
なのです。スポークのバテッドであれば外見で認識出来ますが、フレームを構成しているパイプの内面では、データー
を信じるしかありませんネ(中には怪しそうなものが有りそうですが?)。フレームを制作しない私共の様な普通のショ
ップではチュービング単品を手に取ることはあまりありません。フレームを制作するビルダーの方々には肉厚、径、バ
テッドの位置、材質そのものが性能を左右する大きな要因になる訳です。
オーダーフレームを販売する事のある当店では、オーダーされる方に基本的な仕組みについて理解をして頂く為、ビ
ルダーの方に譲って頂いたチュービングやラグのサンプルをご覧頂いています
一見ただの棒ですが、中央部は0.5mmしか
ないシームレス(一般的には板を丸めて溶接
する事でパイプにした、シーム管である場合が
多い)クロムモリブデン鋼管です。
これを必要な個所及び長さにカットして接合し
てフレームを構成していく訳です
これは私の乗っているRAIZIN号に使用して
いるKAISEI社製の019番のスペックです。
パイプにも商品としてのネーミングが有り、オ
リジナル等と銘打った物の中には?物も有り
かも。
元管をダイスと呼ばれる冶具で引き抜くそう
です。
ちなみに、019は0.8〜0.5mmの肉厚の
変化を持たせてあるそうです。
奥の深そうな“パイプ”です
皆さん、多分覗いた事のないチュービングの内側
です
上の写真では観ずらいので、UP写真です。
光の変化で、段が有るのがお解り頂けます
でしょうか?こんな所までシェープしてあるん
です。ヤッパ、自転車って凄いと思います。
なんとこのチュービング、30年以上前から
存在している商品なのです


接着剤
最近はやたらと接着剤を用いて物が作られている様ですが、我々の業界も例外ではありません。
プラスチックで成型されているカーボン製品に至ってはこれが無いと成立しない事は容易に想像できます。
しかし、昔かたぎの元エンジニア?の私としては溶接のビードやボルト締めの様な目に見える接合方法以外
はナンカうさん臭く感じるのです。接着は接合物の表面に付着しているだけですから、接着剤が仮に強靭だと
しても母剤の表面部分の強度にも信頼性が無ければならないと思いますし、経年劣化、温度、湿度等の影響
と、考えるだけで不安になります。
現在当店の扱うグローバルな展開のブランドでは大きな問題は発生していませんが、十数年前のアルミやカー
ボンの接着フレーム等でパイプが抜ける事例を身近にも確認しています。
とは言うものの、ケミカルの部分は日進月歩飛躍的に進歩しているでしょうから、我々ユーザーも注意しつつ上手
く付き合って行くしか無さそうです。
こんなところにも接着剤!
TREK Fuel EXのリヤスイングアーム部です。
フレーム〜サスペンションユニット〜フレームまで5箇所
の支点を、動きに融通の利かないベアリング3支点と金
属ブッシュ2支点で連結しています。
ど〜って事無いと思われるかも知れません、でも図面で
はどう書けても、各支点は溶接された部分を繋ぐ訳です
から、「卵を立てなさい」と設計図に謳うような物なので
す。その昔、二輪のメーカーにいた時、図面屋の方(設
計)がオフロードレース車のこの部分で悩んでいたのを
思い出します。このバイクは、各部に発生する誤差を3
支点の6個のベアリングを接着剤で固定する事で動き
に支障が出ない位置に固定することが出来る様になっ
ています。
ハードに乗る方は、 この様に劣化しガタ付き等が発
生する為、たまに接着のやり直しが必要になります


前兆
衝突等で強い力が加わって一気に破損する場合は明確ですが、繰り返し加わる力により徐々に疲労して破損にいたる
場合は意外と認識しずらい物です。(通常、疲労⇒亀裂⇒破損の工程を辿ります)
部位では、特にフロントフォーク等、前輪に関係する部分の破損は重大な事故に結びつく危険性がありますので要注意。
ご本人に確認すると「今、思うと音(ギシギシ、パキパキ、カチカチ)は出てはいたな〜」と、何らかの信号を発していたというパ
ターンが殆どです。(当店の事例では、フロントフォーク、ハンドル、フレーム、チェーンがポイントです)
自転車は原動機が有りませんから、音、振動で発する“前兆”は比較的体感し易い乗り物です、この手の感受性を高める
のも永く安全に自転車を楽しむ秘訣だと思います。
折損した’06MONTY221tiのコラム部です、
ブレードはアルミ製ですが、応力の掛かるコラム
はスチール製で、しかも力の集中する部分は2重
構造になっています。超軽量ながら強度には定評
があるパーツです。破断面をよく観察すると、信号
を発し続けていた事が伺えます
2007年からエリートクラスに昇格されたTOP
レベルの選手だったので、幸にお怪我も無く、事無
きを得ました、ただセクションによっては、大怪我
の可能性もあったわけです
写真はたまたまトライアル車ですが、フォークの破損
はロードバイクでもありましたヨ!
保障
マスプロバイクメーカーの場合、通常メーカー(輸入元)の保証書が添付されて来ます。
日本に子会社のあるT,G,C社を除くと、殆どが、それを輸入販売した業者が保証をするわけです。
この業界に入り、大手USAのバイクメーカーが子会社を作り、USAと同じ保障規定を謳った保障内容を見たとき、ある意味信じ難いものでした。
他の所は、単に輸入業者なので1年保障の所が殆どの様です。
フレームの永久保障(条件付)、つまりMTBは山を激しくを走った物でも良い訳です。
耐久消費物がどうしてライフタイムワランティーなのか?信じられません
でした。(私の勤めていた二輪メーカーとしての感覚からでも信じ難いも
のです。)
絶対壊れない機械なんて無い訳ですから。
日本のマスプロメーカーでは、TOPブランドのB社で一般の街乗り自転
車で5年、2流のメーカーでは総て1年が基本です。
世界最大のG社は、日本ではB社に準じてか、リジッドが5年、Wサスは
たった1年のみです。
USAのTOPブランド(最近は名前だけの物も多い様ですが)にとっては、
フレームの設計にしても、「ウチのは○○Kgで軽いヨ!」だけでは、市場
には出せないわけです。
企業主導の日本と違い、アメリカ市場でこの手の商品を売ると言うことは、
それほど大変だと言う事なのでしょう。
もっとも、一般の方は、“フレームが折れる”なんて事は無いと思われる方
が多いと思いますが、でも、それなりの走りをすると右の写真(T社のWサス)
の様に折れるんですヨ。T社のユーザーであるこのお客様は、無償でNEWフ
レームに交換してもらえるのです。
アメリカで企業が怖がるのは保障より訴訟ですから、こんなの大したことで
はないんでしょうネ。


“職人の手作り”への憧れ
一般受けする例えではありません。二輪時代、元々レース用機材にしか興味が無かった私ですが、メーカーに入社後、
開発を含め製造側の色んなプロセスを目の当たりにしたことで、市販車は更に興味の対象から遠ざかり、表情の無いタダ
の乗り物っぽく感じる様になりました、四輪に比べれば趣味性は高い乗り物なのですが。(二輪愛好家の方々夢を壊して
済みません)
それでも、例外はありました。トータルで一年位の短い期間ではありましたが、メーカーの技術の全てを注ぎ、コストに関係
なく作られるファクトリーマシンの製造現場(見たり、部分的な作業をさせてもらったりと言う程度ですが)に接する機会が有り、
その時の光景は、整然とした職場環境と共に大変印象深いものでした。(レースをやっている者にとっては憧れの的、お金で買
えない、触ることも許されないプロ中のプロしか乗ることが許されない競技用機材な訳ですから更に想い入れが強い訳です。)
ラインの工員さんと違い、熟練した職人さんがコツコツと時間を掛けて手作りしていく様はまさに“違う世界”、膨大な手間隙を
かけて組み立てるのですから。
でも、その手の届かなかった“憧れの世界”が身近な自転車で蘇ったのです。
頭でイメージした物を熟練したフレーム造りの職人さんが、私だけの為に作ってくれるのですから、しかも私が買える位リーズ
ナブルに!
ハンドメイドビルダーフレームで組んだ自転車は、やはり私にとっての最高の乗り物かナ!

“黒おび”
以前SHIMANOのカスタマーサービスのスタッフが来店して下さった時、私の行ったことのないヨーロッパで使われている
パーツの実態について伺ったことがあります。わたしのイメージで自転車レースと言いますとやはりイタリアですが、そのイ
タリアにおいてアマチュアのレース会場で現地調査をされたそうです、SHIMANO製では圧倒的に105コンポでデュラエース
装着車は殆ど無かったそうです、日本と違いそのレースレベルはキッと高いことでしょうが。(ちなみにアメリカで同じような
調査をしたらそれがアルテグラだったそうです。)
SHIMANOスズカロードで調査をしたら60%デュラエース、メーカー曰く日本は“特殊な市場”なんだそうです。
理由として考えられるのは、イタリア人がデュラエースを買えないとは思えませんし、自転車通のイタリア人の知り合いなど
おりませんので推測になりますが、武道の柔道、空手で言う黒おびの様なものなのではないんでしょうか、日本人なら武道
をたしなんだ事の無い人でも“黒が好き”というだけでビギナーが“黒帯”を締めて道場に出向けないであろうこと位は想像
がつきますから。
イタリアのレーサーは多分アマチュアレベルでは恐れ多くてデュラエースは使えないと言う意識が働くのではないでしょう
か。
スズカロード(“あれはホンマのレースと違うで”と言う方もおられるかも)の会場では私が見て“このバイクいったいいくら掛か
ってるんだろう”って、ヨーロッパのプロもあまり乗ってない様な自転車をよく見かけます、それも初心者っぽい人が、ヨーロッパ
のサイクリストが見たら日本の自転車文化をどんな目で見てくれるんでしょうか?
イカン、イカン、不景気だと文章がついひがみっぽくなってしまいます。
デュラエースコンポの付いたバイクをあまりよう売らん私の自分への言い訳ですね。
やはり性能は良い訳だから、お客さんが欲しがるのであれば素直に売るべきですよね、ここは日本ですもの。

クロモリって?
ご来店頂いた方に、ウチがお世話になっているスチールフレームの職人さんのブランドであるRAIZINのご説明をさせて
頂くと、よくこの様な質問をされます “エッ、スチール?クロモリじゃないんですか?”と言う方がおられます。
大した思い違いではないかも知れませんが、自転車雑誌を下手に読んでいる方の方が多い様な気がします、自転車雑
誌は工学書ではありませんから表現が曖昧なのは、しかたありませんネ(20年程自転車雑誌を読んできましたが”オヤ”
と思う様な記事が結構有りました、バイクメンテナンスのムック本でも)。自転車雑誌は機材の紹介が主な割りには文科系、
体育会系の方が多く携わって記事になっているんでしょうネ(妙にこだわらない方が記事として楽しいですけど)。
話は戻りますが、通称クロモリはクロム・モリブデン鋼(スチール)すなわちクロムとモリブデンを含有したハガネ、これでもフ
ルネームではなく、4130の様に前出の混ぜ物の含有率をつける事により機械的性質、熱影響の違いを読み取る事が出来
る訳です(JIS等、規格に依り表現は違うかも知れませんが)、他にもレース機材用スチール材ではニッケルクローム、ニッケ
ルとバナジュームとクロームでニバクローム等の名称を聞いたことがあります、クロモリという表現はアルミニュームで言うとこ
ろの7005や6061の番号に当たる部分のみでアルミニュームと言う言葉が自転車雑誌上では略されている訳です。
もっとも金属材料の内、鉄に関するものでも何冊もの本に成りますし、大学時代ろくに勉強しなかった私ではボロ出そうなの
で、このあたりで。前に付く数字でも、カーボンやチタン等、材料によりかなり価格差、性能差が有る物は騙されない様、特に
ご用心!

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